風を感じながら東京タワーや銀座の街並みを眺めつつ、目の前を回ってくるレーンから寿司を取って食べる──。日本のスタートアップ「株式会社SUSHI BUS」がバス会社WILLER ACROSSと組み、2階建てオープントップ観光バスの2階を回転寿司店に改造。「世界初」をうたう「SUSHI BUS」が10月10日に東京で運行を開始する。9月30日から予約の受け付けも始まっている。

1階で握って2階で回す 車体はまるごと巨大なマグロの握り
公式プレスリリースによると、SUSHI BUSの1階は専用キッチンで、職人がここで握った寿司を配膳用リフトで2階へ運び、2階のスタッフが座席脇の回転レーンに載せる。乗客は約70分の乗車中、ドリンク付きで食べ放題を楽しめる。1号車の名前は「まぐろ号」。車体全体が巨大なマグロの握り寿司になるようラッピングされ、全長約12メートル、高さ約4メートルと、道路を走っていればかなり目を引く。
バスは東京駅から徒歩3〜5分の鍛冶橋駐車場を出発し、東京タワー、銀座通り、浅草雷門、東京スカイツリーなどの名所を巡る。あえて終点を設けず、「エンタメ型グルメ体験」を打ち出している。座席はわずか20席で、1日5便を予定し、運行時間は午前11時から午後8時10分まで。料金は1人1万6,000円(約100ドルを基準に設定)。ハラール、グルテンフリー、ヴィーガンなどの食事制限にも対応できるという。
急ブレーキで寿司が飛ぶ? テストは100回以上
誰もが真っ先に思い浮かべる疑問は「急ブレーキで寿司が飛んでいかないの?」だろう。同社はプレスリリースで、企画段階からさまざまなテストを100回以上重ね、急ブレーキでも問題ないことを確認したと説明。この2年間で「車内の物がどう飛ぶか」の研究に費やした時間はおそらく世界一だと自虐してみせた。バスは制限速度を守って走り、実測では時速約30キロ。乗り物酔いしやすいと自認する矢野代表も、まったく問題なかったと話す。
テレビ朝日のニュース(ANN)も、同社が「皿を飛ばさない」ために何百回も試験を重ねた様子を報じている。実際の映像はこちら。
動画出典:ANNnewsCH/YouTube
ネタは豊洲市場の仲卸と提携し、10〜15種類の魚介を直送。中トロは1切れ12グラムと指定している。いち早く試乗したタイムアウト東京によると、ネタはエビ、玉子焼き、マグロ、サーモン、イカ、牛肉などで、種類はそれほど多くないものの、中トロの脂の乗りと食感には驚かされたという。2階はオープンエアの座席だが、雨や猛暑のときは屋根を閉じることもできる。矢野智之代表は取材に対し、運行開始前から世界中から予約したいという声が届いており、2号車、3号車、4号車を予定より早く出したいと語った。
出典:PR TIMES/株式会社SUSHI BUS プレスリリース(2026/9/30)、Time Out Tokyo(2026/10/6)、KAB熊本朝日放送/テレビ朝日(2026/9/27)
