Googleマップを開いたら、住宅街の上に巨大な「飛行機」が覆いかぶさっていた? ブラジル北東部の大都市フォルタレザ(Fortaleza)で最近、ある動画がネットで拡散した。Googleマップの衛星画像に写るコンジュント・パウメイラス地区(Conjunto Palmeiras)に、飛行機の形をした大きな黒い影が現れ、米軍のB-2ステルス爆撃機だと決めつけるネットユーザーまで出てきたのだ。

画像出典:g1(Reprodução/Google Maps)
ネット民の妄想が暴走「カイトサーフィンしに来た?」
ブラジルのニュースサイトg1によると、この黒い影は実際にマップ上で確認でき、オスカリト通りとセーハ・アズウ通りの間で、いくつもの街区の家々を覆っている。その輪郭が米空軍のB-2「スピリット」爆撃機、つまり2025年に米国がイランの核施設を空爆した際に出撃した機種によく似ているとの声が上がり、動画では米軍機がフォルタレザ上空を飛んだと、もっともらしく「暴露」していた。
ほかのネットユーザーも次々とネタに便乗。海辺の強風シーズンに合わせてわざわざカイトサーフィンをしに来たのだという人もいれば、同じ州のソブラル(Sobral)上空を飛んだら「溶けてしまう」という人も。1枚の衛星画像のスクリーンショットが、すっかり街じゅうの話題になってしまった。
専門家が計算で証明「本物の飛行機の影がこんなに大きいはずはない」
g1は、画像レンダリングとアニメーションの専門家で、過去にGoogleマップのプラットフォームの仕事にも携わったジョン・レノン・ジ・フレイタス氏に話を聞いた。同氏によると、衛星は一度にすべての場所を撮影できないため、地図は何回にも分けて撮影した画像をパズルのようにつなぎ合わせて作られており、新しい区画もあれば古い区画もある。「飛行機に見える部分の画像は古く、影のない周りの部分は新しい。尾翼のように見える形は、実は雲の影だ」という。
さらに同氏は数学でうわさを論破する。太陽と地球の距離は平均約1億5,000万キロで、日光はほぼ平行に差し込むため、影の大きさは物体そのものとほぼ同じになる。マップ上のこの「飛行機の影」は翼幅が約500メートルあるが、B-2の翼幅はわずか52.4メートル。しかも飛行機が高く飛ぶほど、影の輪郭は半影でぼやけ、最終的には灰色のしみのようになるだけだ。「物理的に、飛行機があれほどくっきりした影を落とすことはあり得ない。あれは飛行機ではないので、安心して寝てください」。
ブラジルのメディアPortal do Holandaも専門家の話として、Googleマップは異なる日付・時間帯に撮影された写真をつなぎ合わせることが多く、曇りの区画と晴れの区画が混ざると、奇妙な形の暗い斑点が現れることがあると伝えている。次にマップ上で「未確認飛行物体」を見つけたら、シェアする前にまず縮尺を考えてみよう。
