日本の春は「新生活」の季節。大学生や新社会人が次々と引っ越して新たなスタートを切る。ところが今回、大阪の新居に引っ越してきた「新住民」は人間ではなく、1頭の子ジカだった。
先月(3月25日)、この子ジカは大阪市鶴見区のにぎやかな市街地に現れ、最終的に警察の訓練施設の中に誘導されて捕獲された。
実は大阪府内では最近、シカの目撃情報が相次いでおり、東から西へと移動していた。しかし鶴見区にはもともと野生のシカは生息しておらず、大阪府東部の山地にも知られている群れはない。最も可能性が高いのは、隣の奈良県から来たというもの。奈良公園の野生のシカといえば、国の天然記念物だ。
多くの人は、このシカはそのまま奈良公園に戻されると思っていたが、話はそう簡単ではなかった。奈良県の山下真知事は、天然記念物としての保護は奈良公園の範囲内に限られ、いったん外に出れば一般の野生動物と見なされると説明し、奈良側は受け入れに消極的だった。
大阪市にも野生のシカを扱う決まった手順はなかったが、幸いこのシカには新しい居場所が見つかり、かわいい新しい名前もついた。その名も「しかやん」(Shika-yan)!
「しかやん」は「鹿(しか)」と関西弁でおなじみの語尾「~やん」を組み合わせた名前で、まるで大阪の人が親しみを込めて「シカやん!」と言っているように聞こえる。
▼ しかやんの命名式と新居の動画
たとえ奈良公園出身だと証明できたとしても、戻すのが良いとは限らない。奈良公園のシカの数は過去最多を記録しており、新しい縄張りを求めて公園を離れるシカも出ているからだ。しかやんを戻しても、また外へ出てしまう可能性が高く、街中を動き回るのは非常に危険だ(車にひかれるおそれもある)。
現在しかやんは大阪府の能勢温泉(Nose Onsen)の新居で暮らしており、今後は宿泊客だけでなく一般の来訪者も会えるようになる予定だ。飼育スペースはまだ最終調整中で、正式なお披露目の日程は発表されていない。
しかやんが新しい家でみんなにかわいがられ、幸せにのんびり暮らせますように~ 🦌✨
