人里に迫るクマとの「戦い」がエスカレートする日本では、ほとんど滑稽なほどの切迫感から、ユニークな発明が次々と生まれている。すべては、クマの出没という現実の深刻な問題を解決するためだ。
最近では、人間にもクマにもうっかり自動で開かないよう、スマートフォンをタップしないと開かない店舗用の引き戸を提案した会社もある。スマホはクマがまだ使いこなせていない技術だ。
そして今度は別の会社が、まったく新しい戦略を打ち出した。人間の筆者にとってもちょっと怖く、クマにとっては(願わくは)震え上がるほど恐ろしいもの――モンスターウルフ(Monster Wolf)だ。安っぽいお化け屋敷の飾りのような見た目のロボットオオカミの軍団だが、どうやらしっかり役目を果たしているらしい。
クマの出没が増える日本、ロボットオオカミに活路
『Japan Today』によると、このモンスターウルフは北海道の太田精器(Ohta Seiki Co.)が開発したもの。要するに、オオカミの姿をした機械仕掛けのかかしだ(オオカミかかし? それともオオカミおどし?)。
改良を重ねた現行モデルは、赤く光る目、動く金属の関節、そして50種類以上の音をランダムに流すスピーカーを備えている。いかにもなオオカミの遠吠えに加えて人の声も混ぜ、クマに予測させない。どの音も車のクラクション並みの大音量だ。
何かの生き物が近づきすぎるとセンサーが反応し、この機械のオオカミが「大暴れモード」に入る。最近は人里に出没しているとはいえ、クマはもともと静かに単独で暮らすのを好む動物なので、叫び声を上げるロボットオオカミに出くわすと、たいてい逃げていくという。
このロボットオオカミは2016年から存在し、当時はお笑いネタのような代物だと笑われていた。しかし状況がますます深刻になり、クマが食べ物を求めてどこにでも現れるようになった今、モンスターウルフはそれほど悪い選択肢には見えなくなっている。
現在、日本全国のクマが出没しそうな地域に約330体のモンスターウルフが配備されている。最近のクマによる人身被害の増加を受け、太田精器によると需要は大幅に伸びているという。
