中国の国慶節の大型連休「ゴールデンウィーク」。多くの家族が旅行やグルメに忙しい中、北京野生動物園では来園者たちが手袋をはめ、箸を手に、園内で真剣に「毛虫取り」に励んでいた。実は園がアメリカシロヒトリの幼虫を捕まえる大会を開いており、一番多く捕まえた人には入場券が贈られるのだ。

画像出典:CNA(Photo: WeChat/Beijing Wildlife Park)
ロイター通信によると、園はこの外来種の毛虫を「森の大食い王」と呼んでいる。大会は9月28日に始まり、ロイターが報じた10月5日までに約2,077人が31万匹以上の幼虫を捕獲、総重量は47.65キロに達した。会場のポスターには「勇者よ集え! 森の大食い王と戦い、豪華賞品を勝ち取れ!」と書かれ、横のテーブルにはうごめく毛虫の入った容器が山積みになっていた。参加者はまず幼虫の見分け方を学ぶ速成講座を受け、使い捨て手袋、プラスチックケース、箸を持って、約223ヘクタールの広大な園内に散らばって探し回る。
優勝者には入場券10枚
光明網とCCTV財経によると、当日の入園者は誰でも無料で参加できるが、午後1時半までに徒歩エリアの「青い小さな町」展示エリアで受け付けを済ませる必要がある。科学解説を聞いて道具を受け取ってから捜索を始め、2時50分までに成果を提出してその場で計量する。1位から3位にはそれぞれ入場券10枚、5枚、2枚、4位から10位には開園25周年記念バッジとテーマカチューシャが贈られ、参加者全員に記念バッジがプレゼントされた。イベントは10月7日まで延長された。
競争はかなり激しかった。参加した梁さんは1日で約4,000匹の毛虫を捕まえ、プラスチックケース6個をいっぱいにしたが、それでも2位。優勝者はその2倍を捕まえていた。捕まえた毛虫がどうなるのか気になるネットユーザーも多かったが、園は、集めた幼虫はすべてまとめて無害化処理したうえで処分し、動物のエサにすることは決してないと明言している。
アメリカシロヒトリはなぜこんなに多いのか
アメリカシロヒトリは北米原産で、農作物や果樹を含む300種以上の植物に被害を与える。中国では主要な害虫で、年に3世代繁殖する。ロイターは新華社の報道を引用し、北京は現在、今年の第3世代の幼虫による被害のピークを迎えていると伝えている。CCTV財経の分析によると、ここ数年は冬の寒さが足りず越冬できるさなぎが増えたこと、北方で雨が増えて植物がよく育ち、虫の「エサ」が豊富なこと、さらに中国では天敵が少ないことなど、複数の要因が重なり、秋にアメリカシロヒトリが短期間で大発生した。ただし人を刺すことはなく、病気も媒介しない。幼虫の細かい毛で皮膚がかぶれる人がいる程度だという。
北京では人の手による捕獲のほか、巣網の切除、誘引捕獲、殺虫灯、薬剤散布などの総合的な防除を行い、体長わずか1ミリ余りの寄生バチ「周氏嚙小蜂」(Chouioia cunea)を放してさなぎ対策にも取り組んでいる。今年すでに7億匹近くを放したという。35歳の崔さんという参加者はロイターに「意義のあるイベントだ。子どもの興味を引き出せるし、ついでに賞品ももらえる」と話した。
出典:The Straits Times/Reuters(2026/10/5)、CNA(2026/10/5)、光明網(2026/10/1)、CCTV財経(2026/10/1)
