アイルランド西部メイヨー州(County Mayo)の海岸に最近、「珍しい訪問者」がやってきた。カナダ沿岸警備隊の大型ブイが大西洋を横断し、数千キロを漂流した末に、メイヨー州アキル島(Achill Island)の岩場に打ち上げられたのだ。メイヨー州議会は現在回収作業を調整中だが、カナダ側の反応がまた、思わずくすっと笑えるものだった。

画像出典:The Mayo News(Mayo County Council)
メイヨー州議会の発表によると、このブイは重さ約3.5トンで、アキル島のパーティーン港(Purteen Harbour)近くの岸辺で見つかった。カナダの海域から数千キロ漂流してここにたどり着いたという。米UPI通信は、ブイが正確にどれだけ漂流したかはわからないものの、カナダからアイルランドまで流れ着くには少なくとも3,000マイル(約4,800キロ)以上の海を渡る必要があると指摘している。
カナダ側「うちのブイはとってもフレンドリー」
最も面白かったのはカナダ側の反応だ。メイヨー州議会がカナダ沿岸警備隊に連絡すると、同隊は自分たちのブイは「とてもフレンドリー」(very friendly)で、ときどき「家から遠く離れた場所へ出かける」癖があるのだと答えたという。
このブイはただの浮きではない。『The Mayo News』によると、航路灯を搭載しているうえ、波のうねりを利用して独特の汽笛音を鳴らすことができる、見分けやすい航路標識だ。議会は今回の思わぬ訪問について、メイヨーとカナダの深いつながりを軽やかに思い出させてくれたとも表現している。何世代にもわたる移民によって両地域には家族、文化、コミュニティの緊密な関係が築かれており、このブイはその長い友情の思いがけないシンボルとなった。
議会「持ち帰りたいなら、ぜひ直接お越しを」
海上の安全のため、議会はブイを岸から撤去する手配を進めている。再び浮かび上がって船舶や沿岸施設に危険を及ぼすおそれがあるためだ。現在の計画では、まずブイを再び浮かせ、ルイスバラ(Louisburgh)近くのルーナ桟橋(Roonagh Pier)まで曳航し、その後、議会の倉庫に運んで保管する。
議会は回収作業で協力と技術支援を提供してくれたカナダ沿岸警備隊に特に感謝を表した。海事業務を担当する議会サービス部長のデヴィッド・メレット氏は、最優先はブイを安全に回収し、航行や沿岸施設の障害にならないようにすることで、カナダ沿岸警備隊からも貴重な技術情報の提供を受けたと説明。めったにない出来事だが、大西洋をまたいで今も続くメイヨーとカナダの歴史的・現代的なつながりを思い起こさせてくれたと話した。議会は最後に、カナダの人たちがまた自分たちのブイに会いたいなら、わざわざメイヨーまで引き取りに来てもらう必要があるかもしれない、とユーモアたっぷりに付け加えた。
